連携開設科目の特色

本来大学は「必要な科目は自ら開設しなければならない」ことが大学設置基準で定められていますが、「連携開設科目」は、他の大学で開設された授業科目を、一定の条件の下で、自身が所属する大学が開設したものとみなすことができる特例措置であり、令和3年に新たに大学設置基準に定められました。

全国初の大学等連携推進法人の認定を受けた(一社)大学アライアンスやまなしの参加法人会員である山梨大学と山梨県立大学は、教養教育分野を中心に、両大学を合わせて、令和3年度に53科目、令和4年度に132科目、令和5年度に156科目の連携開設科目を開設しました。

これにより、山梨県立大学の学生であっても「医工学と現代社会」のような理系科目を、山梨大学の学生であっても「文化とコミュニケーション」のような文系科目を相互に履修できるようになりました。

連携開設科目を履修した学生を対象としたアンケート結果からも、回答の10割近くが「連携開設科目は学生にとって『とても』または『ある程度』メリットがある」と回答しており、約8割が「自大学にない分野の授業が受講できる」ことをその理由として挙げています。また、履修の理由(複数回答可)については8割超が「科目内容に興味があったから」と回答しています。
このことから、連携開設科目は両大学の学生の知的好奇心に応えるものになっていると推察されます。

また、令和4年度から始まった看護教育分野(大学院科目)の連携開設科目の開設をはじめ、令和5年度からは新たに幼児教育と教職課程における専門分野での連携開設科目も開設されました。

幅広い分野に興味を持ち積極的に学修すること、大学の枠組みを超えて専門の異なる学生が一緒に学ぶことは、学生の感性やコミュニケーション能力の向上、社会へ出た際の適応力の向上にもつながると期待されます。

この取り組みの成果が現れるまでには時間を要するかもしれませんが、学生の自信につながり、卒業生に対する社会の評価も高まるものと期待しています。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 

大学設置基準(抜粋)

(教育課程の編成方針)

第十九条 大学は、学校教育法施行規則第百六十五条の二第一項第一号及び第二号の規定により定める方針に基づき、必要な授業科目を自ら開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。

2 略

3 略

(連携開設科目)

第十九条の二 大学は、当該大学、学部及び学科又は課程等の教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、前条第一項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する他の大学、専門職大学又は短期大学(以下この条において「他大学」という。)が当該大学と連携して開設する授業科目(次項に規定する要件に適合するものに限る。以下この条及び第二十七条の三において「連携開設科目」という。)を、当該大学が自ら開設したものとみなすことができる。

 略

 大学等連携推進法人(その社員のうちに大学、専門職大学又は短期大学の設置者が二以上ある一般社団法人のうち、その社員が設置する大学、専門職大学又は短期大学の間の連携の推進を目的とするものであつて、当該大学、専門職大学又は短期大学の間の緊密な連携が確保されていることについて文部科学大臣の認定を受けたものをいう。次項第二号及び第四十五条第三項において同じ。)(当該大学の設置者が社員であるものであり、かつ、連携開設科目に係る業務を行うものに限る。)の社員が設置する他大学

(連携開設科目に係る単位の認定)

第二十七条の三 大学は、学生が他の大学、専門職大学又は短期大学において履修した連携開設科目について修得した単位を、当該大学における授業科目の履修により修得したものとみなすものとする。