授業風景

「ガイア仮説と地球システム科学」

2022年06月15日

担当 松本潔先生 (前期水曜日2時限)

 

 

専門分野:大気化学、地球化学

 

 

 

この授業は、現在オンラインで行われています。
見学した6月15日は、硫黄循環がテーマでした。硫黄は、硫化水素や硫酸など様々な硫黄化合物に変化しながら、自然界を循環しています。火山活動や生物活動などによって駆動する自然本来の循環の中に化石燃料燃焼などの人間活動が加わることによって、地球環境にどんな変化が生じているのか、などの解説がありました。少し難しい用語は、その都度松本先生がわかりやすく説明してくれます。
授業の終わりに、課題が出されました。課題は不定期に出されます。内容は、これまでの授業で紹介したデータなどを根拠に、地球環境に与える人間活動の影響に関して、自分の考えを簡潔に述べるものでした。
次回は、気候システムと気候変動がテーマです。「気候」と「気象」の違いや、気候を決定する要因についての授業です。

先生がこの分野に興味を持たれたきっかけは何ですか。
大学では農学部に進みました。当初は生態学などの生物分野への興味が強かったのですが、卒業研究で配属された研究室で酸性雨に関する研究を行い、そこで、化学分析を手法に自然の仕組みとこれに与える人間活動の影響を明らかにする環境化学、地球化学の面白さを知りました。子どものころ天気予報を見るのが好きだったので、その頃から大気や気象に興味があったのかもしれません。

この科目を受講して何を学んでほしいですか。
科学的なものの見方や考え方を身に付けてほしいと思います。科学的考察においてデータは重要です。もちろんデータには不確かさも含まれますが、それも考慮に入れつつ、データに基づいて考えてもらいたいと思います。
科学には、常に足りないことや、わからないことがみつかります。今は正しいとされている考え方にも、いつか間違いがみつかるかもしれません。「科学は正しいもの」と思わず、批判的な目で見てほしいと思います。