授業風景

「文化とコミュニケーション」

2022年09月01日

担当 兼清慎一先生 (後期 木曜日3時限)

 

 

専門分野:コミュニケーション、メディア
経歴:放送局の報道部門で25年間、記者やプロデューサーを務める

 


この授業はオンラインで行われる予定です。科目名は『文化とコミュニケーション』です。ですから、異文化間コミュニケーションの知識を得る科目と想像されるかもしれません。ある意味ではそうなのですが、受講すると少し違う感覚を持つと思います。

シラバスには次のように書きました。
「この科目の目的は、異文化と他者について考えることを通じて、自らの文化や暮らしにおける”当たり前”を省みる思考を教員と受講生が共に実践することです。そのことは自分を知ることにつながります」。
このように書いたのは、異文化や他者との出会いは、自分とはいかなる存在なのか、気づいたり省みたりするきっかけになるからです。

外国を旅すると、日本での日常を振り返る機会が増えます。たとえば海外で電車を利用すると、日本の電車の運行の正確さは驚くべきことだと思い知らされます。日本では到着時間が10分程度遅れたくらいで、ちょっとイライラしていた自分を思い出し、「電車は時刻表どおりに運行されるもの」という自分の思い込みに気づかされます。そういう感覚です。

この科目のもうひとつの特徴は「教員と受講生が共に実践する」という言葉に込められています。この科目は、教員が受講生に一方的に教えるものではありません。考えるべき問いは教員が用意します。その問いは私自身も受講生と一緒に考えます。受講生に教えてもらうことも多々あるでしょう。受講生のみなさんも授業づくりに参加するのです。このような授業のスタイルは、受講生から「ちょっと変わっている」と言われますが、コミュニケーションとはいかなるものかを考えるきっかけにもなると考えています。昨年度は山梨大学の学生も参加し、授業づくりに貢献してくれました。大学も学部も問わず、多様な受講生と一緒に授業をつくれることを楽しみにしています。

(2022.08.09)