授業風景

「富士山学」

2025年01月08日

担当 中村高志先生/菊池淑人先生/吉本充宏先生/内山高先生/北原正彦先生/
   本多亮先生/山本真也先生/安田泰輔先生/石峯康浩先生

 

この科目では、世界遺産富士山をとりまく、自然科学的、社会科学的、人文科学的な知の体系を学び、多様な視点を養うことを目的としています。学内教員だけでなく、学外からさまざまな分野の専門家をお呼びし、オムニバス形式で富士山の魅力を伝えてくれます。
授業は基本的にオンライン授業です(見学日は対面授業でした)。

見学した12月16日は、ふじさんミュージアム学芸員の篠原武さんをゲスト講師に迎え、「富士山の縄文遺跡・富士山信仰と富士講」をテーマに、縄文時代の人々はどう富士山に向き合っていたのか、また富士山を信仰し登山する団体「富士講」について講義がありました。

 

富士山が激しく噴火をしていた縄文時代、当時の人々にとって富士山は、“信仰する山”ではなく“恐れる山”でした。そのため、富士山の近くに住んでいた人々は噴火のたびに富士山周辺を離れ、収まればまた同じ場所に戻ってくることを繰り返していたとの説明がありました。

また、江戸時代になると“憧れの山”として、「富士講」と呼ばれる信仰的な団体(※)が富士登拝をしたり、ミニチュアの富士塚が作られたりするなど、富士山ブームが起こりました。1964年には富士スバルラインも開通し、今では富士山は“誰もが行ける山”になり、人々の思いが変わってきたとの説明もありました。
(※)富士山を信仰し登山を望む人たちは、1週間~1か月の旅の費用を用意する必要があった。そこで地域や仕事仲間たちで毎月お金を集めて、くじに当たった代表者が富士山に登る講(団体)を作った。

毎日見ている富士山のことを、より詳しく知ることができました。
富士山学の一番の魅力はオムニバス形式で、富士山の専門家の方々から話を聞けることです。山梨大学主幹の連携開設科目ですが、山梨県立大学の学生にもとても人気のある科目になっています。

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