授業風景

「まちづくりの思想と技術」教員インタビュー

2024年12月18日

担当 田中友悟 先生

 

 

 

 

 

 

 

 

Hasen inc. 代表取締役
山梨市ふるさと振興機構 代表理事 ほか

 


〇学生時代、興味のあった分野について教えてください。
大学時代は、協働のまちづくりや非営利組織のマネジメントを研究していました。大学院では、まちづくりの思想史とデザイン理論を架橋する実践研究に取り組みました。

〇学生にどのようなことを教えていますか?
「ワークショップデザイン」、「ローカルデザイン実践演習」、そして「まちづくりの思想と技術」を教えています。「ワークショップデザイン」は創造的な対話と問いのデザインを学ぶ実践演習、「ローカルデザイン実践演習」はフィールド調査や企画提案の流れを現場で学びます。「まちづくりの思想と技術」は、座学ベースで公共的な価値をつくりだしていくための知恵と手法を学び、受講生それぞれがどのようにまちづくりに介入していけるかを考える講義になっています。

〇「まちづくりの思想と技術」はどういった授業ですか?
「まちづくり」とは、とても抽象的な日本特有の言葉です。その曖昧さゆえに様々な意味を内包し、共通認識を持ちづらいのが難点ですが、それは多くの人にとっての共通の足場を提供する可能性も秘めています。この講義では、なんとなくで使ってしまう「まちづくり」という概念の意味や可能性を整理し、これからまちづくりに取り組む人たちに求められる基本的な視座や姿勢を体系的に学びます。その上で、ワークショップやゲストによる話題提供をとおして、受講生の皆さんの内発性や衝動を探りながら、地域やまちの課題・可能性と自分自身の幸福な関係を探っていきます。全15回をとおして自分と地域、私と公のつなぎかたを見つけ、新しいまちづくりの担い手が山梨に増えていくと理想だなあと考えています。

〇「まちづくりの思想と技術」を受講して何を学んでほしいですか?
私たちは自分一人で生きているわけではなく、まちという器の上で、誰かと共に生きています。そんな、自分と他人の間にこそ立ち上がる魅力や価値があるようにも思います。そのような公共領域を豊かにしていく営みがまちづくりです。講義を通して、自分たちの暮らしを豊かにするクリエイティビティが全ての人に備わっていることを伝えられればと思いますし、「まちづくり」という概念をとおして世界を眺めることの楽しさをそれぞれの立場から感じ取ってもらえたら嬉しいなと思います。

〇来年度に向けて履修を考えている方にひとことお願いします。
授業やゼミ、お仕事などで地域づくりなどに取り組んでいる人から、漠然とまちづくりなどに関心がある方まで、どのような人にとっても気づきのある時間にできればと思います。ぜひ一緒にまちづくりの可能性について考えましょう。

(2024.12.11 山梨県立大学社会連携課でインタビュー)

 

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