授業風景

「多文化共生を目指した地域課題プロジェクト」

2023年09月20日

担当 錦織信幸先生

 

 

医師、医学博士。山梨大学を卒業後、

国境なき医師団、UNICEF、WHOなどを通じて

アジア、アフリカの途上国を中心に国際保健医療協力に従事。

海外における医療・福祉・社会活動の経験を活かし、

山梨県の外国人住民の医療・生活支援事業もおこなう。

 

大学ではいろいろな社会問題について学びます。たくさんの興味深い話題を学び進める一方で、「自分でも何かできるだろうか?」などと考えることはありませんか?
この授業は、問題について「学ぶ」だけにとどまらず、具体的な「アクション」を起こすことを主眼としています。いわば社会問題解決の基本方程式を使ってみるような感覚です。

テーマとして「外国の方の住まい」を取り上げます。
「住まい」は私たちの生活の基盤であり、安心して生活を送るためには安定した住まいが必要です。しかし、多くの外国人住民にとって日本で住まいを確保することは大変難しく、外国人住民の大多数が国籍等を理由に賃貸住宅への入居を断られた経験があるといわれています。今後、ますます国際化していく、いかざるを得ない日本で、このような状況が続いて良いものでしょうか?

そもそも住まいの問題は、憲法において居住の自由が保障されている一方で、賃貸住宅のオーナー、不動産業者、地域住民など多くの関係者が存在し、利害が衝突しやすい分野です。この対立しやすい課題の解決に向けて、何か行動を起こしてみよう!というのがこの授業です。最終的なアクションに向け、まず身近にある社会問題を知り、関係者から話を聞くことによって理解を深め、さらなる情報収集やディスカッションを通じて問題の整理分析を行っていきます。それらの分析を踏まえて、問題解決のためのプロジェクトを企画、実施をしていきます。

気づき、情報収集、分析、解決策の模索、行動、というこの授業で行う一連のプロセスは、問題解決の基本です。社会的な課題について実際にアクションを起こすことを、楽しみながら体験してほしいと思っています。基礎知識は一切不要、すべて一からみんなで学んでいきます。留学生も大歓迎です。

(2023.09.04 インタビュー)