授業風景

「倫理学」

2022年06月07日

担当 橋爪大輝先生

 


山梨県立大学人間福祉学部福祉コミュニティ学科
博士(文学)
専門分野:哲学、倫理学
趣味:すっかり無趣味になってしまいました。強いて言えば読書が趣味でしょうか。

 

橋爪先生からひとこと
この授業では、倫理学の基本的な考え方を学び、それを通じて現実の倫理的問題を具体的に考える力を養う機会を提供します。※先生は、前期にはこの科目のほか「生と幸福」を、後期には「人間と思想」を担当されています。
(詳細はこちらから⇒ https://university-alliance-yamanashi.jp/students/student/

   

この科目、分野の魅力を教えていただけますか
「倫理学」は「善悪」について考察する学問です。たとえば、私たちは日々、「あれは善い」「これは悪い」と、様々な倫理的「判断」を行っています。その「判断」は、どのような「基準」で行っているのでしょうか。
自分にとっては「自明(当たり前)」のことになっていて、普段はなかなか気づくことのない個々人の「判断基準」について考え、それを自覚できるようになることも、倫理学を学ぶひとつの意義だと思います。
授業の後半の回では、「生命倫理」、「動物倫理」、「環境倫理」、「経済倫理」などについても幅広く学習しますので、学部を問わず誰もが興味を持って学ぶことのできる科目だと思います。

どのように授業をされていますか。
現在は、梨大生、県立大生ともにオンライン授業で行っています。毎回の授業のあとにはコメントシートを回収して、その次の回に取り上げて回答することもしています。実際に教室に集まっての講義ではないので、他の受講生の意見をいろいろと聞いてみたいという意見も寄せられていて、要望に応えられるよう工夫しています。

この科目を通して、学生にどのようなちからを身につけてほしいでしょうか。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスは「ただ生きるのではなく、『善く』生きよ」と説いたといわれています。「善く」生きるとはどういうことか。それを考えることで、みなさんが生活の中で下す「善悪」の判断に、根拠を与えられるようになればと考えています。倫理学の考え方を習得すれば、現実社会での倫理的な問題を具体的に考えるちからも養われると思います。