授業風景

「芸術活動をとおした多様性協働プロジェクト」

2022年08月17日

 山野靖博先生 俳優、声楽家


 中原和樹先生 舞台演出家、脚本家

 

見学をした7月12日(火)は、高校生、県立大生、梨大生総勢14名が参加しました。
前回の授業で行われた「劇場とは何か?」に引き続き、今回はそれぞれが考えてきた「自分の人生における劇場とは」という考えを、自分なりの表現にしてみるという内容でした。

 

自分が思いついた考えを、どう抽象的な思考から具体的な表現に落とし込んでいくか。一人ひとりの発想を大事にし、全員との個別ディスカッションを通じて、先生方と学生とで表現の形を掘り起こしていきました。

 

履修者はディスカッションを基に、各自の時間も使いながら、自分の力で表現を突き詰めていきます。

 

全員がディスカッションを終え、一通り表現がまとまったところで、発表です。
観客は演出の一部となり、協働して発表者の表現を作り上げていきます。この時点ではまだ発表者の考えは共有されず、観客は思いを巡らせながら参加します。
「自分の劇場」の捉え方も人それぞれ、表現したいことも全く異なります。お互い相手の反応を見ながら柔軟に対応して、生き生きと表現していました。

 

 

履修者からは、「決まっていることを学ぶのではなく、いろいろな表現方法があっていいと思えてとても楽しい。」「初めての感覚。答えのない問いをもらっている感じで面白い。」という声が聞かれました。

 

先生方から
私たちの言葉や行動は、頭の中だけではなく、固有の身体に蓄えられたものとして立ち上がってくるものだと考えます。この授業では、具体的な多様性を「こういうもの」と頭で理解するのではなく、生身の身体を媒体として、概念を理解していきたいと思います。「そもそも多様性はどこにあるのか」という問いも含め、身体をとおしてこの授業内での出来事を咀嚼し、吸収して、それらがいつか、参加者それぞれのタイミングで花開けばと思います。